
取扱鋼材
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SUS431H
SUS431とは、マルテンサイト系ステンレスで耐食性は一般の焼入鋼よりは優秀ですが、オーステナイト系ステンレス、フェライト系ステンレスおよび析出硬化系ステンレスよりは炭素(C)含有量が高いため劣ります。 13クロムの基準型で、焼入れ後の硬さが高い材料です。 Niを含むCr鋼で、焼き入れで高い機械的特性を示し、SUS410,SUS430より高耐食性を示します。 「H」とはベースとなるステンレスに対して「加工硬化」を施したものを指します。金属の組成は、ベースとなる金属と基本的には同じです。加工硬化とは、金属に応力を加えて組織構造を変形させることで強度を増す操作のことです。
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- 用途
- 刃物、製紙機械、船舶用シャフト、航空機部品
- 代表成分
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ステンレス鋼は炭素鋼のように、熱処理によって硬化するものは少なく、析出硬化系と中~高炭素クロム系ステンレス鋼に限られています。 このSUS431を含むマルテンサイト系ステンレス鋼は、ステンレス鋼でありながら炭素含有率を高めているため、炭素鋼同様に焼入焼戻処理により非常に硬化させることができます。 なお、焼入れをして使われるほとんどが、各種製品に成形加工後に熱処理を施して使用されています。 加工するときは柔らかい状態にでき、部品として使用する時は最大限強い状態にできます。比較的安価なクロムを含有させるため、材料コストも安く、一般的なステンレス(SUS)として様々な用途に使用されています。 固く摩耗しにくく、靭性(材質の粘り強さ)も付与できるので、機械構造部分(タービンブレード、ノズル、ポンプなど)や軸受などにも使用されています。
SUS431H C Si Mn P S Cr 成分値 0.20以下 1.00以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 15.00~17.00 - 機械的性質
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耐摩耗性、耐熱性の用途に向いています。 耐磨耗用途のステンレス鋼として最適の鋼種で、焼戻抵抗が高く耐熱用用途にも使用可能です。 機械的・物理的な方向性が少ないのが特徴です。Ni添加により靭性を改良し、Crの添加により耐食性を改良したもので、熱処理のきくマルテンサイト系では耐食性が最も良好です。
耐力 N/mm2 引張強さ N/mm2 伸び % 硬さ(HB) 590以下 780以下 15 229以下 - 加工性・特性
- 材質特徴としては、SUS440Cには及ばないが、焼入れ後に高い硬度を得ることが可能です。 焼入れ後の加工を行う場合、硬度が高まるため加工が困難になります。 その為、逆にカミソリ刃やカッター刃などの各種刃物には適し、焼入れにより高硬度を得ることが出来る材料です。 Niを含むCr鋼。熱処理で高い機械的性質を持つ為、SUS410,SUS430より耐食性が良い。 圧延と熱処理により、炭化物粒径を細かくコントロールすることで、焼入れ性や耐摩耗性、そして刃付け加工性に優れた材料です。
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